当社グループでは、従業員一人ひとりの健康と安全を重要な経営基盤と位置付け、健康経営に取り組んでいます。健康課題の把握・分析に基づき、「働き方の推進」「ウェルネスの推進」の両輪で重点テーマを設定し、予防から対応、復職支援までを含めた体系的な施策を推進しています。
これらの取り組みを通じて、従業員のWell-beingの向上と組織の持続的な成長の実現をめざしています。
当社グループでは、健康経営方針に基づき、従業員がいきいきと活力高く働き、仕事と生活のバランスを図りながら能力を発揮できる職場づくりをめざしています。
2025年10月には健康経営ポリシーを策定し、その考え方に基づいた健康経営方針を発信しています。
- 健康経営は、特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。
当社グループでは、以下の健康経営方針を定めて取り組みを進めています。
健康経営の取り組みについては、健康保険組合と共同で年に1回開催している健康経営推進委員会にて、取り組みの背景や課題、実績について労務健康管理総括者、健康管理責任者、健康スタッフをはじめ、労働者の代表と審議、意見交換を行い取り進めています。
健康経営方針
- 病と向き合うすべての人に希望ある選択肢を届けるため、まずは従業員自らが健康であるように努める
- 従業員一人ひとりが自らの能力を十分に発揮し、いきいきと働くことができる職場づくりを進める
当社グループでは、上記の方針のもと、「働き方の推進」と「ウェルネスの推進」の両輪で健康経営を戦略的に推進し、従業員のWell-beingの向上と組織の活力向上につなげています。
当社グループでは、健康経営の取り組みを全社的に推進するため、健康保険組合と連携した体制を構築しています。
年1回開催している健康経営推進委員会において、取り組みの背景や課題、実績について、労務健康管理総括者、健康管理責任者、看護職に加え、労働者代表も参加し、審議および意見交換を行っています。これらの議論を踏まえ、健康経営の各施策を継続的に推進しています。
当社グループでは、健康課題に応じて「働き方の推進」と「ウェルネスの推進」を軸とした戦略を策定し、さまざまな取り組みを展開しています。戦略の全体像は以下の戦略マップに示し、具体的な活動内容や成果については「健康白書」にまとめています。
戦略マップ
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戦略マップ
(829KB)
当社グループでは、健康経営の推進の一環として健康白書を作成しています。
会社、健保組合が保有する健康や働き方に関するデータを活用し、従業員の健康状態や健康課題を把握・可視化するとともに、各種健康施策の効果を検証しています。
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健康白書2026
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当社グループでは、従業員の心身の健康の維持とワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、「長時間労働の抑制」と「適切な休暇取得」を重要な施策として位置付けています。
従業員の健康は企業の持続的な成長を支える重要な基盤であり、変化の大きい時代においても、一人ひとりが活力を持って働くことが、イノベーションの創出やエンゲージメントの向上につながると考え、取り組みを推進しています。
「2つのTM」を軸に、1人あたりの年間総実労働時間を1,850時間以下とすることを目標に、全社で取り組んでいます。
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時間外労働の削減(Time Management)
夜間・早朝および休日の作業・メール送信の原則禁止、週1回以上の定時終業日の設定(金曜日を推奨)、各拠点における労使での時間外労働状況の確認や個別フォローを実施しています。 -
適切な休息の確保(Time Making)
年次有給休暇の取得促進に向け、一斉年休(年2日)や取得奨励日(年5日)の設定、未取得者への個別フォローを実施しています。
- 長時間労働者(年間時間外労働360時間超)割合:6.2%
- 有給休暇取得率:73.3%
- 年間総実労働時間:1,881時間
有給休暇平均取得率
年間総実労働時間
定期健康診断は全員受診を目標に取り組んでおり、2025年度も受診率100%を維持しています。健康診断の結果を踏まえ、精密検査該当者への受診勧奨も徹底しており、2025年度の受診率は90.5%となりました。
当社では、これらの結果を基に生活習慣病予防の取り組みを推進しており、特に高血圧対策に重点的に取り組んでいます。
具体的には、2017年度から「リスク層別化血圧管理プログラム」を実施しています。本プログラムでは、健診結果や既往歴を基に今後10年間の脳・心血管障害の発症リスクを評価し、高リスク・中等リスク・低リスクの3段階に層別化します。そのうえで、血圧のコントロール状況を確認しながら、生活習慣の改善を促進しています。
高リスク該当者に対しては、現在の治療状況を把握するための調査を行ったうえで、必要に応じて産業医面談を実施し、高血圧の重症化予防に取り組んでいます。
2025年度の調査回答率は92.5%で、そのうち20.8%に対して産業医による保健指導などを実施しました。
また、中等リスクおよび低リスクの従業員に対しては、本社産業医による血圧セミナーを実施しており、受講率は95.8%となりました。参加者アンケートでは、約99%が血圧管理の重要性を理解したと回答し、特に体重管理、運動、減塩への意識向上が確認されています。
さらに、2025年度はアルコール対策として適正飲酒に関するオンラインセミナー(アサヒビール株式会社提供)を実施しました。当日は150人がライブ参加し、パッチテストの体験やクイズ形式の学習を通じて、アルコールに関する基礎知識への理解を深めました。オンデマンド配信も221回視聴され、多くの従業員が参加しました。
当社グループでは、2017年度より卒煙プログラムを実施するとともに、社内全面禁煙、敷地内禁煙、就業時間内の喫煙禁止などのルールを就業規則に明記し、従業員の健康維持に取り組んでいます。
2020年度からは、会社・健康保険組合・労働組合が三位一体となった卒煙推進体制を構築し、取り組みを強化しています。毎年5月31日の世界禁煙デーには、各組織のトップから禁煙推進メッセージを発信し、全社的な意識醸成を図っています。
これらの取り組みにより、卒煙施策導入時に22%であった喫煙率は、2025年度には7.9%まで低下しました。
さらに、2025年度からは禁煙支援アプリを活用した「みんチャレプログラム」(エーテンラボ株式会社提供)を導入し、禁煙の定着に向けた支援を行っています。
今後も喫煙率0%の実現をめざし、各組織の強みを活かしながら、グループ一体となって卒煙推進に取り組んでいきます。
喫煙率の推移
- 2023年度から調査方法の基準を変更
当社グループでは、従業員健康意識調査(みんなの健康モニタリング)の結果から、睡眠に満足していない従業員が年々増加していることや、睡眠と主観的な健康状態に相関があること、さらにプレゼンティーズム(生産性低下)の主な要因が睡眠不足であることを把握しました。これらを踏まえ、睡眠改善を健康経営の重点施策の一つとして位置付け、プログラムの導入やセミナーの実施などを通じて、従業員の睡眠改善に取り組んでいます。
2024~2025年度には、睡眠に課題を抱える従業員(希望者)を対象に、株式会社バックテックの睡眠プログラムを導入しました。本プログラムでは、睡眠習慣の可視化やセミナー動画の受講、希望者への個別面談を組み合わせ、3ヵ月間で睡眠改善を図りました。74人が参加し、特に不眠症リスクが高い人(アテネ不眠症尺度6点以上)の割合は、プログラム前後で78.1%から65.6%へと低下しました。あわせて、1日の睡眠時間が30分以上増加した従業員の割合は46.9%となりました。
2025~2026年度も同プログラムを継続しており、現在は95人が参加し、睡眠改善に取り組んでいます。
当社グループでは、2021年度に全従業員を対象とした女性の健康に関する意識調査を実施しました。その結果、女性の健康課題が仕事の生産性に影響していることへの理解が十分でないこと、また妊娠・出産に伴う症状や疾患がキャリアの中断や休職・退職につながる要因となっていることが明らかとなりました。
これらを踏まえ、2022年度から女性の健康支援施策を展開し、女性が安心して働き続けられる環境づくりを進めています。
2025年度は、働く女性のための健康支援として、AMH(卵巣予備能)検査の受診機会の提供や健康相談、卵子凍結保管サービス、婦人科医療へのアクセス支援などを実施しました。また、女性の健康課題に関するeラーニング(「男性も女性も知っておきたいフェムテック女子学」:株式会社法研関西提供)を、会社と健康保険組合が共同で配信しました。
さらに、妊娠・出産に伴うキャリアの中断を防ぐため、2023年度から株式会社LIFEMの妊活プログラム「専門医によるオンライン相談」を導入しています。20~40代の従業員(男性を含む)が利用しており、アンケートでは「個別のケースにも専門的に対応してもらえた」「不妊治療へのハードルが下がった」といった声が寄せられています。

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- eラーニング(「男性も女性も知っておきたいフェムテック女子学」:法研関西提供)動画
2025年度の従業員健康意識調査(みんなの健康モニタリング)において、過去1年間に転倒経験がある従業員は約16%にのぼり、年齢が上がるにつれてその割合が増加することが明らかになりました。
こうした状況を踏まえ、当社グループではエイジフレンドリー対応の一環として、転倒予防に取り組んでいます。
具体的には、大規模事業所を中心に、従業員の身体機能の把握と維持・向上を目的とした健康体力テストを実施しています。2025年度は、大阪本社および東京本社において、健康体力テスト(2ステップテスト、立ち上がりテスト)に加え、AI姿勢診断(株式会社バックテック提供)を導入しました。
将来の姿勢予測に基づく理学療法士による個別フィードバックを行い、従業員の身体機能の維持・向上につなげています。

- 拡大
- 健康体力テストの様子
当社グループでは、メンタルヘルス対策を「一次予防(未然防止)」「二次予防(早期発見・対応)」「三次予防(職場復帰支援)」の3つの段階に整理し、体系的に取り組んでいます。以下に全体像を示すとともに、それぞれの段階における主な取り組みについて紹介します。
当社グループでは、2010年度から毎年ストレスチェックを実施しています。受検率は年々増加し、2025年度は97.6%となりました。
ストレスチェックの結果については、職場環境の改善につなげるため組織分析を行い、抽出した課題を国内関係会社の人事担当へフィードバックし、改善活動に活用しています。
また、セルフケアの推進として、全従業員を対象にeラーニング研修を実施しています。2025年度は「自分自身のストレスに気付き、適切に対処する力を身につける」ことをテーマに実施し、受講率は97.0%となりました。
ラインケア研修では、「ラインケアに必要なコミュニケーションスキル」をテーマに、部下の話を聴く際のポイントなどを学び、受講率は98.7%となりました。さらに、新任職制向けには「ラインケアの実際―部下のメンタルヘルス対応を考える」をテーマとした研修を実施しています。
ストレスチェックの結果、高ストレスに該当した従業員のうち、慢性的な痛みを抱える人を対象に、痛みの改善を通じてメンタルヘルスにアプローチするプログラム(株式会社バックテック提供)を導入しています。
メンタルヘルス不調者は身体的な痛みが増幅する傾向があることから、本プログラムでは理学療法士によるオンライン面談を実施し、身体的な痛みの緩和(有症状日数の低減)を図るとともに、心身の不調に起因する生産性低下やうつリスクの改善につなげています。
また、メンタルヘルス不調者への対応に関する社内運用をまとめたガイドブックを作成し、管理職を中心に周知しています。本ガイドブックは全従業員も活用できるよう広く展開しています。
あわせて、従業員および上司が早期に相談できるよう、社内外の相談窓口を設置し、利用促進に取り組んでいます。
- 数値が高いほど、症状が強い
- 10-15ml以上の差がある場合、医学的な効果あり
- うつ症状の評価は、国民生活基礎調査でも使用されているK6で評価。
- 24点満点中の5点以上の場合、何らかのうつ・不安の問題がある可能性がある。
出典:株式会社バックテック
メンタルヘルス不調により休業した従業員に対しては、必要な手続きや休業中の過ごし方、職場復帰に向けた準備をまとめた「休業中のしおり」を配布し、円滑な職場復帰を支援しています。
職場復帰の過程においては、産業保健スタッフ、職場上司、各部門および関係会社の人事が連携し、一人ひとりの状況に応じた支援を行っています。
- ラインケアとは、日ごろの職場環境の把握と改善、部下の相談対応など管理監督者が行うメンタルヘルス対策のこと。
当社グループでは、健康保険組合との連携によるコラボヘルスを推進しています。三位一体で取り組んでいる卒煙推進をはじめ、がん検診の受診率と特定保健指導の参加率向上、各種保健事業において、会社と健康保険組合が連携しながら、従業員の参加促進に取り組んでいます。
2018年度より、35歳以上の従業員を対象に、定期健康診断の人間ドックへの代替化を進めています。人間ドックの受診結果を定期健康診断結果に代替することで、がん検診の受診率向上をめざしています。
また、大人のがん教育の一環として、2023年度より、外部の専門医を講師として招き、従業員向けのオンラインがんセミナーを開催しています。
2025年度は、がん対策推進企業アクションの出張講座として、「医師によるがんに関する講演」、および「がん体験者による講演」の2本立てのセミナーを開催し、参加者232人、アーカイブ視聴は140回を超える再生回数に達しました。
参加者のアンケートでは、「わかりやすい内容で、がんに対する理解が進んだ」という声が多く、特にがん体験者の講演では「がんに罹患した仲間に対する声かけの方法について参考になった」という感想が寄せられました。
希望者には、がんについて学ぶ小冊子「がん検診のススメ:がん対策推進企業アクション事務局作成」を配布し、がん検診の受診を強く呼びかけました。
人間ドックの定期健康診断代替化率の推移
国が推奨するがん検診受診率
- 肺がん検診は胸部レントゲンまたはCT検査実施者数で集計
健康保険組合では、さまざまな保健事業を実施しています。
毎年実施しているウォーキングキャンペーンでは、ウェアラブルデバイスを健康保険組合のポータルサイトと連携し、日々の歩数が自動的に記録される仕組みとなっています。キャンペーン期間中に設定された歩数を達成するとポイントが付与され、蓄積したポイントは商品と交換することができます。2025年度は従業員838人が参加し、歩数目標の達成率は約80%となりました。
また、生活習慣改善に取り組む「生活習慣改善キャンペーン(やることチャレンジ)」を年1回実施しています。「朝食をとる」「階段を使用する」などの健康行動を各自で設定し、その実施状況をポータルサイトに入力することで、行動変容を促しています。2025年度は従業員644人が参加し、達成率は80%となりました。
さらに、事業所内でインフルエンザワクチンの集団接種を実施し、職場内での感染拡大防止に取り組んでいます。接種費用については健康保険組合が補助しており、2025年度の接種者数は1,327人となりました。
2025年度、当社グループは、経済産業省が推進する「健康経営優良法人2026」(大規模法人部門)において、特に優れた取り組みを行う企業上位500社に付与される「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を受けました。
本制度では、「経営理念・方針」「組織体制」「制度・施策実行」「評価・改善」といった観点から健康経営の取り組みが評価されます。当社グループはすべての評価項目において業種平均を上回り、特に「従業員への浸透」(組織体制)の項目で業種トップおよび全業種トップの評価を獲得しました。
当社グループは、従業員のスポーツ活動の支援・促進に積極的に取り組む企業を認定するスポーツ庁の「スポーツエールカンパニー2026」において、ブロンズ認定を受けました。ブロンズ認定は、同認定を5回以上受けた企業に付与されるものです。
当社では、運動習慣の定着に向けて、健康保険組合と連携し、ウェアラブルデバイスを活用したウォーキングキャンペーンや健康イベントを継続的に実施しています。
また、デスクワークや在宅ワークにより低下しがちな身体活動量に起因する不調への対応として、社内マッサージ師によるストレッチ動画の配信など、従業員の自発的な運動習慣の促進に取り組んでいます。
当社グループは、従業員に対するがん予防対策の取り組みが評価され、厚生労働省委託事業「がん対策推進企業アクション」による「がん対策推進優良企業」に6年連続で認定されています。
当社グループでは、健康保険組合による人間ドックの費用補助や、人間ドックの結果を定期健康診断の結果に代用する取り組みを通じたがん検診の受診促進をはじめ、治療と仕事の両立支援制度の整備、従業員への情報提供、外部専門医によるオンラインがんセミナーの開催など、さまざまながん対策を推進しています。
今後も、がん検診の受診率向上とがんに関する理解促進の両面から取り組みを進めていきます。