気候変動は、人類を含むすべての生物の存続に重大な影響を及ぼす環境問題であり、その対応は国際社会における重要な課題となっています。
地球温暖化に伴う異常気象の増加や自然災害の激甚化は、医薬品の安定供給や事業継続にも影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、こうしたリスクを踏まえ、気候変動への対応を重要な事業課題と位置付け、事業活動に伴う温室効果ガス(GHG)排出量の削減に取り組んでいます。
当社グループは、気候変動の緩和に向けて、エネルギー使用量の削減やフロン類の漏えい防止に取り組み、GHG排出量の削減を推進しています。環境中期行動計画25-30において、以下の目標を設定しています。
GHG排出量(グローバル:スコープ1+2)
GHG排出量を2019年度比で2030年度までに69%削減
GHG排出量(スコープ1+2)
2025年度のグローバルでのGHG排出量は26.6千t-CO2eqとなり、2019年度比で68%削減しています。
このうち、燃料使用などによる直接排出(スコープ1)は16.4千t-CO2eqで、2019年度比44%削減となりました。
また、購入電力などによる間接排出(スコープ2)は10.2千t-CO2eqで、国内生産拠点(小野田・吉富)における再生可能エネルギー由来電力への切り替えにより、2019年度比81%削減となりました。
当社グループでは、スコープ3におけるGHG排出量のうち、カテゴリ1(購入した製品・サービス)が最も大きく、全体の約95%を占めています。カテゴリ1については、購入金額と二次データから算定しており、前年度と比較して排出量は18%増加しました。
今後は、サプライヤーとのエンゲージメントを強化するとともに、排出量の実態をより適切に反映する算定方法の検討を進め、スコープ3の削減目標の設定および排出量削減に取り組んでいきます。
スコープ3 GHG排出量
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カテゴリ |
GHG排出量 (千t-CO2eq) |
算定方法 |
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1 |
購入した製品・サービス |
853.0 |
国内における原材料・製商品の購入金額に、環境省DB※の排出原単位を乗じて算出 |
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2 |
資本財 |
27.8 |
国内だけでなく海外も含めた連結を対象とし、固定資産の取得金額に、環境省DB※の排出原単位を乗じて算出 |
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3 |
スコープ1、2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 |
8.5 |
国内および海外事業所のエネルギー使用量に、環境省DB※の排出原単位、LCIデータベース(IDEAv2.3)の排出原単位を乗じて算出 |
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4 |
輸送、配送(上流) |
2.3 |
国内における「工場→物流センター」「物流センター→卸」「販促品倉庫→支店・営業所等」の輸送トンキロおよび環境省・経済産業省「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」の「トンキロ法」から算出 また、委託先物流センターおよび販促品倉庫での保管管理に係る電力使用量に、「電気事業者別排出係数(環境省・経済産業省令和8年1月9日公表)」で示された実排出係数を乗じて算出 |
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5 |
事業から出る廃棄物 |
1.6 |
国内グループ事業所(生産・研究拠点、本社・東京本社、物流センター、営業所等)からの廃棄物の種類別の排出量に、環境省DB※の排出原単位を乗じて算出 |
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6 |
出張 |
0.6 |
国内・海外の従業員数に、環境省DB※の排出原単位を乗じて算出 |
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7 |
雇用者の通勤 |
0.9 |
国内・海外の交通区分別の交通費支給額に、環境省DB※の排出原単位を乗じて算出 |
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12 |
販売した製品の廃棄 |
0.2 |
国内における容器包装リサイクル法に基づく再商品化委託義務量に、環境省DB※の排出原単位を乗じて算出 |
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合計 |
895.0 |
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- 環境省DB:環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.6)」
国内グループでは、各拠点エネルギー担当者と省エネ推進連絡会を開催し、各拠点およびグループ全体のエネルギー使用量の推移や省エネ対策について情報共有を行うとともに、取り組み方針の検討を進めています。また、グループ全体でエネルギー管理体制を構築し、グローバルでの省エネ活動を推進しています。
各拠点では、高効率機器への更新やLED照明への切り替え、製造エリアにおける長期連休時の空調停止など、さまざまな省エネ施策を実施しています。さらに、全社省エネキャンペーンを展開し、昼休みの節電(照明・空調・OA機器の電源オフ)や階段利用の促進など、従業員が日常的に取り組める施策も進めています。
エネルギー使用量(グローバル)

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- 省エネキャンペーンポスター
当社グループではカーボンニュートラルのアクションプラン(再生可能エネルギー導入、次世代自動車への切替、ボイラーなどの燃料転換、など)についてロードマップを策定し、カーボンニュートラルを推進しています。
再生可能エネルギーの活用は、GHG排出量の削減につながる有効な施策の一つです。
当社グループでは、これまで湘南事業所や欧州の一部オフィスで再生可能エネルギー電力を導入してきましたが、2025年度からは国内生産拠点(小野田・吉富)においても再生可能エネルギー電力へ切り替えを実施しました。また、タナベ ファーマ コリア(郷南工場)では太陽光発電設備を導入しています。
今後も、各拠点の状況に応じて再生可能エネルギー電力の導入を検討し、GHG排出量の削減を進めていきます。
当社グループでは、社有車から排出されるGHGの削減に向けて、ガソリン車からハイブリッド車への切り替えを順次進めるとともに、エコドライブの推進に取り組んでいます(ハイブリッド車への切り替えは2028年度に完了予定)。
また、ハイブリッド車への切り替えに加え、EV(電気自動車)への移行についても引き続き検討を進めています。
エコドライブの推進の推移
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2019年度 (基準年) |
2023年度 |
2024年度 |
2025年度 |
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社有車に占めるハイブリッド車の比率 |
67% |
70% |
82% |
87% |
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社有車燃料由来の CO2排出量 (国内) |
CO2排出量 |
4,165t-CO2 |
3,596t-CO2 |
3,145t-CO2 |
2,225t-CO2 |
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CO2排出量削減率 (2019年度比) |
ー |
14% |
24% |
47% |
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当社グループでは、オゾン層破壊や温室効果に影響を及ぼすフロン類について、漏えい防止に取り組んでいます。
フロン排出抑制法に基づき、国内拠点に設置されているフロン類充填機器を台帳により適正に管理するとともに、設置基準の遵守および定期点検を実施しています。廃棄時には、フロン類を適切に回収・破壊し、その記録を3年間保管しています。
また、新たにフロン充填機器を導入する際には、温暖化係数や省エネ性能を考慮して機種を選定するとともに、更新時にはノンフロン機器への切り替えを進めています。
2025年度の国内生産・研究拠点におけるフロン類の漏えい量は44kg(76t-CO2eq)でした。当社国内グループ各社のフロン類漏えい量は、漏えい量報告制度が制定された2015年度以降、いずれの年度においても監督官庁への報告基準値を下回っています。